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「塀を乗り越えたけど、そこも世界の外ってわけじゃなかった」中東の若者の未来と世界をつなぐ。留学でつかんだ“生きる軸”




Global Student Housing

UNINEST STUDENT RESIDENCES BLOG

 

ユニネスト国際学生寮には、海外に興味や留学体験のある若者が多く暮らしています。今回インタビューをしたのは、中東へ留学をしてからHAKUSAN HOUSEに入居した女子寮生。異国の地で彼女が知りたかったことや現地で学んできたものをシェア! 気になる留学費用や語学の勉強についても聞いてみました。 

 


目次





プロフィール写真

 N.A.さん

(慶應義塾大学SFC / AIESEC慶應義塾大学委員会)





HAKUSAN HOUSE :

ハロー!HAKUSAN HOUSEの環境をフル活用して充実した生活を送っているN.A.だけど、

今日は、ここに至るまでの経験について聞かせてね!


N.A. :

宜しくお願いしまーす!




中東パレスチナ留学、事前準備と滞在費用


HAKUSAN HOUSE :

HAKUSAN HOUSEに住む前、中東に行っていたと聞いたけどどこの国?


N.A. :

パレスチナとイスラエル。


パレスチナの風景1


HAKUSAN HOUSE :

日本からの留学だと、オーストラリアやカナダなどが多いイメージだけど、中東に留学していたのはユニークだね。

留学では何を学んでいたの?


N.A. :

パレスチナ自治区内にあるBirzeit University (ラマッラー近郊にあるパレスチナ最古の名門大学)のThe Palestine and Arab Studies(以下:PAS)プログラムを履修して、そこでアラビア語とパレスチナ問題の勉強をしてた。参加者はドイツ人留学生が半分くらいを占めていたかな。


HAKUSAN HOUSE :

イスラエルにはどうして?


N.A. :

イスラエルでは留学ではなく、現地の企業でインターンをしてた。


HAKUSAN HOUSE :

なるほど〜

では今回はパレスチナ留学について詳しく話を聞いていこうかな。大学何年生のときに行ったの?


N.A. :

大学3年生の後半から。大学は半年休学して行ったんだけど、留学前はイギリスの語学学校で2ヶ月間、英語を勉強。CEFRのC1を目標にして取得!


HAKUSAN HOUSE :

留学期間はどのくらい?


N.A. :

8ヶ月くらい。イギリスに2ヶ月、エストニアに1ヶ月滞在してたんだけど、パレスチナはイスラエルとの問題上、学生ビザが発行されなくて。。まずはビザなしで滞在できる3ヶ月間だけ滞在し、一回イギリスに出てから、またイスラエルに戻るという方法でなんとか。


HAKUSAN HOUSE :

留学先の情勢によって滞在方法も変わるんだね。。


N.A. :

そうそう。パレスチナへの2回目の入国では入国拒否されちゃって、一週間の滞在のみになり。。でも内務省と交渉して2ヶ月の滞在許可が出て一安心!


HAKUSAN HOUSE :

留学って生活習慣や手続きの違いでトラブルが起こることがあるあるだけど、N.A.の場合はどうだった?


N.A. :

お金についてもっと事前確認しておけばよかったなと思うかな〜。現地で引き落とせないことを想定して、日本からの送金方法をもっと詳しく調べておくべきだったかなって。学生だったらクレジットカードの上限も事前に調べておくと安心。


HAKUSAN HOUSE :

留学費用はどれくらいかかったの?


N.A. :

月の家賃は約2万5000円×3ヶ月

食費は4~5万円

その他生活費は4万円

学費は入学費3万円+7~8万円(1コース)×2コース

食費と生活費は旅行先での費用も含む。


って感じかな〜


パレスチナ側はイスラエルの物価の2/3くらい。大学から奨学金を貰う予定だったんだけど、治安がレベル2なので支給されず……涙


HAKUSAN HOUSE :

色々な苦労があるんだね〜。たくましくなりそうだなぁ。中東の文化って日本人には欧米ほど馴染みがないけど、どうして中東で学びたかったの?


N.A. :

元々中東が好きで、SFCでは神保謙研究会でテロリストとSNSの親和性について研究をしてたっていうのが大きいかな。中東というと”危険”、”テロ"などというネガティブなイメージと結びつきがちで、メディアでもそうした一部分しか取り上げられないことが多いなと感じてて。情報過多な社会で欲しい情報が簡単に得られることはいいことだけど、その情報が絶対だとは限らない。だから私は、自分で見たもの、経験したものを1番大事にしたい。だからこそ、現地での経験を大事にしたいと思ったの。



パレスチナの風景2


HAKUSAN HOUSE :

たしかにニュースではよく聞く国名だけど、その国に暮らす人の生活や表情って思い浮かばないなぁ。実際に“そこ”に行かないと見えないものを体感するために向かったんだね。


N.A. :

パレスチナ問題についても勉強したいと思ってて、実際にそこに滞在するうえで、パレスチナ側を見て「イスラエルが悪い」というのではなく、パレスチナ、イスラエル両方の立場から見たかった。





パレスチナの日常、伝統文化に触れて


HAKUSAN HOUSE :

パレスチナ滞在中のスケジュールはどんな感じだった?


N.A. :

1日のスケジュールはこんな感じ。

 

7:00 - 起きて朝ごはんをつくって食べる
8:00 - アラビア語の授業
12:00 - 留学先の友達と大学でランチ
15:00 - パレスチナ問題の授業
18:00 - 授業の復習、ラマッラーで買い物
20:00 - 夕食
21:00 - 授業の予習
22:00 - 就寝



HAKUSAN HOUSE :

授業はどうだった


N.A. :

パレスチナ問題の授業ではフィールドワークも多くて、私が求めていた実体験を得られてとても良かった!

授業がない日にも、パレスチナの歴史ある場所に連れて行ってもらえたし。


HAKUSAN HOUSE :

実際に行って見て感じる!というのはメリットだね。


N.A. :

放課後にはパレスチナの伝統舞踊「ダブカ」のレッスンに参加してた。ダブカはステップの数がかなり多く覚えるのが大変な踊り!

上手に踊れるようになるためにルームメイトと部屋で練習していたら、プログラムに参加している人たちとのコミュニケーションにもなったかな。残念ながら、情勢の悪化で発表会はできなかったけど、いい思い出!


HAKUSAN HOUSE :

留学先で住んでいたのはどんな部屋?


N.A. :

大学から徒歩10分ほどのアパート。寮ではないけど、学校から近いから多くの学生が住んでた。私はドイツ人の留学生3人と4人で住んでいて、一人一部屋でシャワーやキッチンが共有という仕様。


HAKUSAN HOUSE :

日本に帰ってきてHAKUSAN HOUSEに住もうと思ったのはどうして?


N.A. :

学生生活も残り1年なので、1年契約で借りられるところがいいなと思っていたのと、帰国後もいろいろなバックグラウンドを持っている人と交流できる環境に住みたい!と思って学生向けの国際寮を探していたらHAKUSAN HOUSE HOUSEを見つけて、「ここだ!」と思って。


HAKUSAN HOUSE :

N.A.ちゃんのバックグラウンドも、他の入居者にとってすごく刺激的だよね〜!

心に強く残ってるパレスチナでの思い出を教えてくれるかな。




【パレスチナの思い出】

ゴラン高原の写真
ニムロッド・フォートレス国立公園(ゴラン高原あたり)。シリアを背景にSmile! ドイツの留学生たちとゴラン高原の旅行にいったときに立ち寄った、二ムロッド要塞(ニムロッド城)。ヘルモン山の南斜面に位置し、海抜約800 mの尾根に位置する中世イスラムの建造物


岩のドーム
イスラエルとパレスチナのチェックポイントのため、何度も観光したエルサレム「岩のドーム」。ラマダンの時期と重なり、岩のドームは一度しか見れなかったが、あまりの綺麗さに感動!!

 



ナザレの受胎告知教会
ナザレの受胎告知教会にて。たまたま教会内に入ったらミサが行われており、鳥肌が立つほどの素敵な感覚に襲われた思い出。


【中東での日々で見つけた“生きる軸”】


HAKUSAN HOUSE :

自分の体と頭でさまざまな体験を得たパレスチナ留学。中東留学前後で自分に変化はあらわれた?


N.A. :

より将来の夢が明確になった。帰国してから就活活動が始まったけど、自分の中の軸が決まっていたので、自分の生き方に自信を持ち、肯定できるようになった!


HAKUSAN HOUSE :

自分の軸というと?


N.A. :

私の将来の夢は「ITの力で地球上の格差をなくす」こと。私は中東諸国に興味があって、これまでイスラエルやパレスチナ、ヨルダンなどで実際にインターンや大学でのプログラムに参加してきた。そうしたなか、イスラエルのインターンで現地のスタートアップ企業と話す機会があったんだけど、イスラエルの IT 技術に圧倒されたと同時に、それ以外の中東諸国でもIT 技術によってより発展する可能性を感じたの。例えば、パレスチナ自治区では大学を卒業しても、パレスチナ自治区から出ることが難しく、現地で仕事を得ることが難しい環境があるので、ITの力で場所に縛られない解決策はないかなって。


HAKUSAN HOUSE :

現場のパレスチナでは可能性を活かすチャンスが得られない若者が多いんだね。


N.A. :

特にガザ地区は、若者の大学進学率が5割を超えるほど優秀な人材が豊富なのにも関わらず、2018年の失業率は過去最高の53%。労働者の賃金も低い状態が続いてて。

一方で、世界銀行によると、パレスチナ自治区で設立されたITなど技術系のスタートアップ企業は、2009年の約20社から 2015年には約140社に増加しているそう。封鎖環境にあってもITなら世界とつながることができて、IT技術で教育の機会や就労の機会を与えられるかもしれない。


HAKUSAN HOUSE :

N.A.は中東が持つ明るい可能性やエネルギーを信じていて、それが原動力にもなっているんだね。


N.A. :

ゴラン高原に行ったときに見た、未だに地雷が埋まっていて入れない区域、パレスチナとイスラエルの間のチェックポイントで起こる衝突、私より明らかに年下のイスラエル兵がおもちゃじゃなくて本物の銃を持って歩いている光景……。

そういう現実を目の当たりにして、日本での当たり前が通じない日々に悩むときもあった。。でも日本の基準で測っていたら結局何も見られなくなってしまうので、パレスチナという塀の中で実際に生活してみて、自分がいかに固定概念に捉われていたかに気付かされた。


HAKUSAN HOUSE :

N.A.が日々変化していくように、世界中の国もどんどん変わっていくのかもしれないよね。話を聞いていると中東の未来もN.A.の未来も応援したくなるね!


N.A. :

ありがとう!文字通りの意味ではパレスチナという塀を乗り越えて実体験は得たけど、それはまだ私にとってはスタート地点でしかないと思ってるから、これからも頑張っていきたい!


HAKUSAN HOUSE :

まだまだ世界中に知りたいことがいっぱいありそうだね。今度また留学するとしたら、どこに行って、何を学びたい?


N.A. :

やっぱり中東!シリア難民を受け入れているヨルダンのキャンプ場に行きたな。そこではブロックチェーンなどを活用して、難民のさらなる支援の向上を目指してる。


HAKUSAN HOUSE :

N.A.にとって留学ってどんなものだった?


N.A. :

今の気持ちはこんな感じ。

「I climbed over the fence, but I was still in the world!」



HAKUSAN HOUSE :

それはどんなメッセージ?


N.A. :

私が好きなスヌーピーの名言で「塀をのりこえたけど、そこも世界の外ってわけじゃなかった」という言葉。


HAKUSAN HOUSE :

中東で得た軸を持って、エネルギッシュに生きていくN.A.らしいね!

ハッとするような前向きな視点を与えてくれるインタビューをありがとう!


パレスチナの壁1

パレスチナの壁2






 


- HAKUSAN HOUSE -

HAKUSAN HOUSEのロビー



 

基本情報


TEL:03-3830-7011 (9:00 - 19:00)  



最寄りの学校

・東洋大学(白山キャンパス) - 徒歩4分  

・東京大学(本郷キャンパス) - 自転車7分  

・順天堂大学(お茶の水キャンパス) - 電車4分  

・お茶の水女子大学 - 自転車10分​  

・中央大学 - 電車3分  

・明治大学(駿河台キャンパス) - 電車6分  

・立教大学(池袋キャンパス) - 電車14分  

・上智大学 - 電車25分  

・法政大学(市ヶ谷キャンパス) - 電車8分  

・慶応義塾大学(三田キャンパス) - 電車18分  

・早稲田大学 - 電車&バス25分

 

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